革命未だ成らず 2012 7 29
映画 「1911」 ジャッキー・チェン
この映画は、DVDで鑑賞しました。
ストーリーは、中国の清帝国末期から「辛亥革命」の時代までを、
孫文や黄興の視点から描いたものです。
1911年12月、南京に集まった革命派と、
清朝から独立を宣言した各省の代表は、
孫文を臨時大総統に選出し、
1912年1月1日、中華民国の建国を宣言しました。
ここで、革命は成就したかと思われましたが、
歴史は終わらなかったのです。
当時、最強の北洋新軍を率いる袁世凱と革命派との間で、
清帝の退位・共和政の実現と引き換えに、
袁世凱が臨時大総統に就任するという協定が結ばれたのです。
この結果、秦の始皇帝以来の王朝支配は終わりを告げました。
しかし、強権を握った袁世凱は、独裁体制を完成させるべく、
皇帝の位につく野望を抱き、帝政運動を推進していったのです。
歴史に「if」はありませんが、
孫文が、臨時大総統の地位を袁世凱に譲らず、そのまま続けていたら、
その後の中国は、どうなっていたのかを想像せざるを得ません。
孫文は、革命家であり思想家でもありましたが、
政治家ではなかったかもしれません。
(映画では、黄興が袁世凱の野心に気づいていました)
それでも、孫文の高邁な思想は、人類の光でした。
「革命いまだ成功せず。
同志すべからく・・・・継続努力して目的を貫徹すべし」
孫文の遺言です。
(参考文献)
「詳説 世界史研究」 山川出版社